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VRC学園12期 1日目 入学式

学園生に、なりました!

『私立VRC学園』 https://sites.google.com/view/vrchighschool というゲーム内ユーザイベントへ参加することになりました。7月1日は12期生の入学式の日でしたので、その感想などを綴ります。

VR技術を使って様々な人たちと交流を図るコミュニケーションソフトの側面が強い『VRChat』というゲームを使って開催されています。VR技術の近年の大まかな話や、『VRChat』『私立VRC学園』に関するちょっとした解説は、ひとつ前の記事にて行っていますのでよければご一読ください。

<前回の記事 → https://trasque.github.io/posts/23070101/

classroom 入学式が始まる前に着席したクラスメイトの皆さん(私は最前列一番手前)

2020年の5月から運営が始まり、 1期あたり2週間の生徒だけでも100名となる大規模なイベント です。コンスタントに運営が続けられ、その12期目として入学できることとなりました。

入学と言ってもコミュニケーション促進を目的としたイベントなので、あくまでも学園は舞台です。参加資格として何らかの技術的素養を求められるといったようなことはありません。むしろ、PCを使わない安価なVR機器だったり、機器や『VRChat』そのものの経験がほとんどない人でも参加できるようバックアップ体制が敷かれているので、その間口はかなり広いと思います。

強いて言えば、あくまでもコミュニケーションを広げようとする意思があることと、色んなタイプの人が参加する可能性があるので許容性を広くオープンな精神を持つことが大事なのかなと思います。細かい取り決めなどは公式の情報をご参照ください。

抽選による選考を経て、12期生としての入学が確定し、連絡体制などの状況を整え、晴れて入学式の日となりました。

「場」があることの強み

teachers 我らが12期4組の担任教師による挨拶

『VRChat』そのものは自由な場です。ゲームと表現しましたが、性質としてはほとんどSNSであり、それ自体にゲーム的なギミックが多数実装されている訳ではありません。自分でアバターや空間を用意して入り込み、同じ場にいる人達と会話を楽しむというだけのものです。

なので、自分からどんどん関わろうとしなければいつまで経っても知り合いすらできないという難しさがあります。空間を用意する時、常に全世界の人が不規則に参加してきても困るといったこともあるので、設定として友人だけ許可するといったことも可能です。これらの便利な設計がかえって、コミュニティの固定化や閉塞化に繋がってしまうといった結果も招いてしまいます。

閉じこもっているという批判的な視点ではなく、コミュニティを作り上げる上では必要な機能のひとつでもあるので、これは自然な流れとして仕方ないことです。ですが、初心者(または機会を逸したままの人)にはなかなか厚い壁であることも事実でした。

私はVR空間に限らず、リアルの場でも 人の会話の中に入ろうとすることがとても苦手 です。どうしても会話の合間を様子見してしまったり、黙って横の方で聞いているだけでいい…… といった行動になってしまいがちです。

これまで学校や職場などで人間関係に大きく悩むことがあった訳でもなく、比較的良好な日々を過ごせていたとは思うのですが、見方を変えてみればそれは いつまでも無難なコミュニケーションしか取れなかった とも言えます。

teachers 担任の先生はひとりだけじゃない!

『VRChat』でも同様で、知り合いを作ってみようといろいろな空間へ参加してみても、既に会話しているその輪の中へ入ることはできませんでした。そして、そのような悩みを持つ人は少なくないようです。

『私立VRC学園』の入学式へ参加するため、専用に立てられたワールドインスタンスへ飛び込むと、そこには懐かしい雰囲気の校舎がありました。正門を通り抜け昇降口に入ると、複数の担当者が教室まで案内してくれます。緊張していた私はひたすらこんばんはこんばんは!と言うので精一杯でした。

教室には既に何名かの生徒が入っているのが窓から見えたので、いったん立ち止まり息を整えてから、やっぱり挨拶を連呼しながら入室しました。

私としてはかなり無理をした動きではあったものの、これまでいきなり飛び込んだワールドで一切声をあげられなかったことからすれば「これこそが 場と目的が与えてくれる強さ 」なのだろうと思わざるを得ません。

誰もが挑戦者であること

classmate 「あの頃の教室」が目の前にある

生徒として参加している人たちは当然のこと、担任の先生や各種授業を受け持つ専任講師の人たちに至るまで、元を正せば誰もが『VRChat』のひとりのプレイヤーに過ぎません。中には少し前の生徒として卒業したばかりであるとか、教える立場そのものが初体験であるとか、 運営側に立つ人であっても挑戦する側 であるという特徴があります。

そのような背景の説明を受けつつ、生徒の自己紹介の時間となりました。

最前列の窓側に座っていた私が一番最初となったので焦りましたが心配はいりません。既にできている輪の中に入ったり、アドリブで話すことは苦手ですが、準備さえしてあれば負けはしない!!このときのために私は自己紹介の原稿を用意し、時間を測って練習してきたのだ!!!

kanpe VRChatを起動しながらデスクトップ画面を同時に見る機能だってある

1~2分で自己紹介をすると事前に聞いていたので、準備して練習までしたのに、いざ演壇に立つと余計な言葉を挟んでしまったり、緊張で息が吐き出せなくなったり、 アワワとかウーとか言ったり して、最終的に「短めにしてください」と言われてしまう始末でした。誠に申し訳ありません。

「様子見」する自分を客観視するあの感じ

schooltour 学園のワールドには体育館や中庭もある

入学式の内容を終えた後は校内見学となりました。

実質的に生徒がフリーに話せる状況となる訳ですが、この…… 「何か話さなければ!!」と焦る感じが苦しいような懐かしいような。予想通り私は誰に話すでもなく 微妙な位置でみんなの話を聞いてる感じ になりまして、ガンガン話せる人って凄えなと素直に思います。

思い返してみると、小学生中学生のはじめのころは、いつもこの苦しさで悩んでいたなという気がします。いつのころからか「何かされてる訳でもないし静かにしていたって悪くない」とすぐ考えてしまうようになったように思います。

話題を振られたり、話しかけられたりすれば全然話せる受動的な感じでこれまでの社会生活をそれなりの円滑さでこなしてきましたが、それも私なりの処世術だったのかもしれません。なんてことを、一気に20名近い見知らぬ人たちの中に飛び込むという経験で考えることとなりました。

例えば会社の研修だとかに参加すれば、別にこのようなことにもならないのは、目的がもっと限定されてはっきりしているからなのだと思います。職場でも困らないのは仕事の話をすればいいからです。おそらく私に足りないのは、互いに何も知らないフラットな状態での付き合い方なのだと思います。

ちょっと無理をしたと思っても自分を許す

sakura 放課後の桜のもとで

予定を終えた後は放課後となります。

特に決まった何かがある訳ではないので、残っている生徒は好き勝手に会話したり写真を撮ったりする訳です。そう…… つまり 自由度がメチャクチャ上がる 訳です。何らかの予定をこなすとか、目的があるとか、そういうものが取っ払われた状態こそ、本当に僕は苦手なんだなと痛感します。

色々なネタを繰り出して盛り上げてくれるクラスメイトが多くてありがたいなと思いつつ、やっぱりどこか「何か話さなくては」と焦っていたところがあり、無理に変な行動を取ってしまったかも…… などと今更ながらちょっと反省していたりします。

そういうことはリアルの場ではやらなくなってしまいました。ウケを狙うとすぐ滑るので、そもそも黙ってしまうという悪循環。でも、人と交わらなければいつまでたっても変わらないということだけは分かっているからこそもどかしい。

私が『私立VRC学園』に参加した目的は、その理念の通り、自分からコミュニケーションできるその広さを少しでも手に入れることです。たぶん、もしかしたら2週間後の卒業式の日まで、少しズレたコミュニケーションしかできずに終わってしまうのかもしれません。それでも、そもそもそれを挑みにきたのだから…… という原点は忘れないようにしたいと思います。

このことに挑めるのも、学園という場と機会を提供してくださっている運営の皆さんと、同じ場を共有する生徒のみなさんがいてこそ実現できるものと言えます。これほどの機会は、狙っても得られるものではないでしょう。文字通り「有り難い」と感じます。

groupphoto 記念写真(普段の僕なら絶対に中央にはいない)

日曜日はお休みとなり、授業は月曜からはじまります。

夜22時から1時間程度+放課後の自由行動という計画で2週間走り切るイベントです。クラスメイトの良き思い出のひとかけらとなれるよう、自分なりに盛り上げていきたいと思います。

This post is licensed under CC BY 4.0 by the author.

VRC学園12期に入学した

VRC学園12期 2日目 必修授業 ニノ先生