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VRC学園12期 7日目 学縁祭

半日まるまるイベントずくめ

001picture

『私立VRC学園』の授業は平日に計画されており、土曜に何らかのイベントが組まれ、日曜はお休みとなることが多いようです。少なくとも12期の計画はそのようになっていました。

入学式を土曜に行って日曜のお休みをはさみ、月曜から授業開始という流れでした。12期は2週間の予定ですので、土日を挟んで平日10日の授業となります。

そして、間にある土曜日は 学縁祭 が行われていました。

過去の学縁祭がどのようなものだったのかは詳しく分からないのですが、今期については様々なイベントが夕方から深夜まで半日にわたって計画されており、好きなところへいつでも参加できるといった形式でした。

イベントは主に学園OBや関係団体が開催しており、最も多い時間帯では5つほどのイベントが同時進行していたかと思います。つまり生徒の視点では、当日になって様々なイベントが目の前で一斉に登場し、それを全力で楽しめるということになる訳です。

『仮想大学校』 OPEN CAMPUS

002university 仮想大学校 OPEN CAMPUS お試し講義の様子

まず開始一発目から開催されていた 仮想大学校 OPEN CAMPUS へ参加しました。

『私立VRC学園』はどちらかといえばコミュニケーション主体のイベントであり、授業はその期の1回きりとなるので内容としてはどんな人でも聞けるようなものとなります。

それに対し、より専門的な内容を長期的に取り扱って本格的な学習を目指すのが『仮想大学校』であるようです。学縁祭ではどんな内容の授業が行われるかの紹介を、OPUN CAMPUS と題して行っていました。おそらく別の団体としての参加だったのだろうとは思いますが、正確なところはわかりません。

003self なんもわからん

この日は授業の様子を録画したものが流されていました。航空力学の入口としてものかと思いますが、揚力とは何かについてヘリコプターのモデルを動かしたり、板書したりしつつ、どのようにして揚力が発生するのかを解説していました。

(VR空間上で)原寸大に近いヘリコプターを動かしながら解説できるというのはVRの強みだと思います。ヘリコプターの後ろ側に横向きで付いている小さなプロペラがどのように作用するのかをシミュレートする場面が披露され、イメージとしてはかなり掴みやすかったです。

VR野球盤初心者練習会!

004baseball VR野球盤で試合後の記念撮影

次に参加したのは VR野球盤初心者練習会! でした。私のクラスで初日の必修授業を行って頂いた ニノ先生 の主催です。ニノ先生はイベントの開催に関する基礎知識を題材とした授業を行っていましたが、普段からVR野球盤で大会を開くことが多いらしく、その経験を基にしたとのことでした。

たくさん野球をやっていると聞くとスポ根な印象を受けるかもしれませんが、ニノ先生はかなり(アバターも)おしとやかな方なので、そのギャップがまた良いです。

イベントではまず前半にバッティングセンター的なワールドへ参加し、VR内で行うバッティングの基礎練習を行いました。あくまでもVR内での操作ですので、実際のバッティングに忠実である必要はありません。ここは割り切ってVR用の無理のない動きを練習していきます。

特にVRChatでは、何らかの物体を掴むという入力は「ひとつの物体に対し片手まで」しか行なえません。剣やバットのような両手持ちは入力としては行えず、あくまでも表現としてもう片方の手を添えて両手持ちしているかのように見せるのが関の山です。

つまり、VR野球盤においてはテニスのような片手持ちで振る方が確実となりますし、力いっぱい振るよりは丁寧に手首を返してバットの角速度を得るほうが良かったりします。腕全体も使って全力で振ってしまうと、描画の関係上バットの当たり判定が飛び飛びになってしまい、ボールがすり抜けてしまうといったことも起こります。

あくまでもビデオゲームの一種として、筋力などに頼らなくてもホームランを取れたりするといった設計であるようです。

005teacher 投球マシーンを操作するニノ先生

後半はチームを分けて球場ワールドへ移動し、1イニングの試合体験となりました。

実はピッチャーもVRで実現できるのですが、バッティングよりも入力が難しいらしく、時間的な問題もあり参加者はバッティングのみとなりました。ルールはいわゆる野球盤で、フィールドのそこかしこに「First Hit」だとか「Double Play」といった板が設置されており、打球が何に当たったかで成績となります。

VR野球盤をやり込んでいる人達は、実際にピッチャー以外にも内野手外野手を置いて、バッターも走塁を行って本格的な試合となるようです。守備のためのグローブも用意されており、装着してボールに当てれば吸着して捕球できるといったシステムも用意されていました。

VRなりのコツを掴むまでは思い切り腕を振っていたので肩が痛くなってしまいましたが…… 球場の放送が流れたり、遠くから応援団の声援が聞こえ続けていたりして、その空間の広さや雰囲気でかなりテンションがあがります。室内にいるはずですが、スポーツらしい爽やかな疲労感を得られました。

VR飲食持ち寄り会

006teacher 結局クラスメイトの休憩場所みたいになった

先2つのイベントは続いていたので、少し休憩を挟んで参加したのは VR飲食持ち寄り会 でした。

これは私のクラスの副担任である らbyる先生 が主催でした。らbyる先生は過去の期において、必修授業として「VR機器を装着しながら行う飲食」についての授業を行っていたことがあるらしく、今回は学縁祭でイベント主催として参加していました。

あまり大きなイベントにするつもりはなかったようなのですが、1名を除いて私のクラスが放課後のように集まってきて食べては喋る空間となってしまいました。1名の方は居づらかったかもしれません、申し訳ないです。

VRしながら飲食と聞くとお行儀の悪い印象を受けますが、過去の授業スライドを見せていただくと、想定されるマナーや危険性を網羅しつつ、これまでの実績が紹介されるといった細かい配慮のある内容となっていました。

実際、VRChatで様々なワールドを巡っていると、実際に食べているかのような使い方のできる鍋セットや、リアルに再現されたラーメンとか、コーヒーを注げるギミックだとかが実装されていることが多く、それを見ているとお腹が空いてきてしまう…… なんてことがよくあります。

突発ストレッチ&ズンバ部

007zumba

続けて参加したのは 突発ストレッチ&ズンバ部 でした。

名称からしてエクササイズ的なイベントだとは思っていたのですが、 想像以上にヘビー でした。とは言っても、経験者として日々取り組まれている方々からすれば準備運動レベルなのだそうですが……

VRは音楽ゲームもありますし、VRChat内でダンスやエクササイズを楽しむ人達もたくさんいます。このイベントではそうした日々の運動を紹介するといった内容で、ラジオ体操からはじまり、ズンバと呼ばれるダンスを主体とした有酸素運動を行いました。

室内での事故や怪我といった諸注意の後、大きく表示される動画に合わせて体を動かす訳ですが…… 冷房を付けていたとしても1時間で体は汗だく。

008stretch ほとんどの参加者が地面に転がってる

ダンス主体ではあるものの、ほとんどの動きはそれほど複雑ではなく、しばらくは同じ動きを繰り返すという内容だったので難しくはありません。ですがどうやら有名なエクササイズらしくその動きは効果的で、かなりの運動量だったと思います。

腕を目一杯広げて周囲360度何もぶつかるものがない…… という室内を確保するのは日本では一般的にかなり難しいだろうと思うので、VRでのエクササイズは物理的な制約を受ける人もいるでしょう。ですが、あまり運動に興味のない私でもダンス的なのは楽しいものだと感じますので、可能ならもうちょっと環境を整えてみたいところです。

ゆるゆるエアショー

009airshow 航空ショーを観覧するための説明の様子

さすがに体を動かすイベントを続けていたので、次に向かったのは航空ショーのイベントでした。

ワールド内に用意された原寸大の航空機へ実際にプレイヤーが乗り込み、編隊飛行やスモークによる軌跡の描画といった航空ショーを見られるといったものでした。

正直なところ参加するまでは軽いものを想像していたのですが、私としては学園祭で最も大きなインパクトのあるイベントとなったように思います。

まず、航空機が原寸大であることもそうですが、乗り込んでいるプレイヤーは実際の航空機と同じような操作を行う必要があるようです(さすがに簡略化はされているのだとは思いますが)。そして、航空機はワールド内をVR空間上の座標としては実物に近しい速度で飛行することになります。つまり、ワールドそのものの広さもかなりのものとなっているのです。

航空機は滑走路をしばらく走って加速した後に離陸することとなりますが、これが目の前で実物大の距離感で展開されます。豆粒以下まで小さくなるほど航空機が遠のいたかと思えば、鑑賞する私達参加者のすぐ頭上までものすごい勢いで加速し走り抜けていく様は、ただただ大迫力と言わざるを得ませんでした。

010aircraft 写真ではこの迫力がなかなか伝わらない

通常、ビデオゲームといってもディスプレイという平面に収まってしまうので、どれほど空間的な巨大さを演出しようと思っても、テレビの中の映像と大差はありません。

ですがVRではゴーグルに映る景色が体感として実物大の空間として感じられるという特性があります。同じゲームでもVR版を遊ぶと全く体験が異なるというほどです。

VRChatには基本機能としてカメラが備わっていて、実際のカメラのように手に持って撮影できます。実際のスポーツ観戦やオペラ鑑賞などでも感じることではありますが、カメラや望遠鏡をしばらく覗いた後に目を離すと、その空間の広さに感動するといった体験をしたことがあるかもしれません。

例えば、山頂から見える美しい景色に感動して写真を撮ったとして、何度見返しても写真では「あの広い感動」からは程遠いと感じてしまうといったものです。

面白かったのは、VR空間内で行われている航空ショーを、VR空間内のカメラで撮影していた時に、これと同じ感覚を体験できたことでした。航空機が頭上を通り過ぎる大迫力を感じた後、しばらくVR内のカメラで航空機を写していたのですが、 「VR内に表示されているカメラの液晶画面」を通じて見る航空機は平面的 なのです。

なので、ふとVR内で手に持っているカメラから目を離し、実際の目(VR空間内の自分の目:ややこしいですね)で航空機を見た時に「広さの感動」が再現された訳です。

011aircraft VR空間上の現地に参加していると写真では伝わらない広大な距離感に圧倒される

4機のパイロットはそれぞれワールド内に存在する航空機に乗り込み、それぞれが自分で操縦して様々な軌道を描いていきます。色とりどりのスモークを発生させるのも手動でオンオフを切り替えていたはずです。飛行速度やちょっとした角度なども自分で操作する必要がありますので、この日のショーまでにはかなりの練習を重ねたに違いありません。

言ってしまえば全てが架空のものではあるのですが、その体験はパイロットも管制官も鑑賞者たちも、現実に近いものを得ていたとして良いと思います。仮想空間だからこそ、敢えて現実に即したものを再現しようとすることに価値があるのかもしれません。

仮想だからと全てを簡単に都合よく済ませている訳ではないからこそ、実際の場所や空間を無視したネットワークとVRの技術が生きてくるのだろうと感じられました。

フィナーレイベントは旅館の打ち上げ形式で

012finale 旅館の客室にある「あの空間」

最期に配置されていたのは フィナーレイベント でした。

といっても特に何か設定されている訳ではなく、旅館を模したワールドで宴会のような雰囲気を楽しみながら集まった人達で雑談をするといった時間でした。VR空間に配置された食べ物を見ると本当にお腹が空いてきます。

013room

学園祭なのでクラスを問わずの参加となることから、かなりの人数が集まることとなりますので、複数のインスタンスを立てて運営されていました。

一段落ついたところでクラスメイト同士で集まり、別の温泉旅館的なワールドへ移動し、深夜までダラダラと会話しては寝落ちして一日の終わりとなりました。

This post is licensed under CC BY 4.0 by the author.

VRC学園12期 6日目 選択授業 空上流一先生

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