Home VRC学園12期 6日目 選択授業 空上流一先生
Post
Cancel

VRC学園12期 6日目 選択授業 空上流一先生

VR空間でのTRPGを体験

001teacher 本日の講師 空上流一 先生

この日は12期がはじまって初の選択授業の日となりました。選択授業は事前にアンケートが行われて、優先度の希望を取って割り振られることとなります。
VRCは仮想空間とはいえ、多くの参加者が同じインスタンスに存在すると、それぞれプレイヤーの端末の端末に大きな負荷を掛けることとなってしまいます。なので、各授業は現実的な定員を設定せざるを得ません。

どの授業を第一希望にしたのか正直忘れてしまったのですが、この日の授業は 本の中に入り込んだみたい!?VR-TRPGの魅力 と題した 空上流一先生 のクラスに参加することになりました。

この授業では、TRPGそのものを全く知らない人でも参加できる内容としているので、TRPG自体を知ることも、VR内での遊び方を知ることもできるという内容になっていました。

002world

VRC内には、TRPGを遊びやすくするツール的なワールドがあるようで、授業はそこで行われました。

学園の選択授業は別のクラスの人達と交流できる数少ないチャンスだったりします。この日は20名ほどの参加となりましたが、TRPGは3名程度を1チームとして進めていくことになりました。

クラスメイトとはここまで数日、放課後も過ごしてきたりしましたので、ある種の警戒心もなくなっている訳なのですが…… やはり初対面というのはどこか緊張してしまうもので、チームを組むときにどうしても同じクラスメイトで固まろうとするものですよね。

近くにいる人でチームを組む流れとなったので、隣にいたクラスメイトと、別のクラスの方との3人で組みました。こういう場で常にビビっていても失礼になってしまうので、まずは元気よく挨拶。 こういう時はカラ元気だっていい んです。

003teammate クラスメイトの Snizeさん(左) 同チームとなった まつりこさん(右)

私は人付き合いがかなり保守的なので、こうしたある程度の強制力が働くイベントというのは、自分への訓練という意味では非常に助かります。TRPGは目的もあるし、次々とやることが出てくるので、こうした場面ではうってつけなのかもしれません。

そもそもTRPGとは何なのか?というイメージを掴むのさえ未経験では難しいような気がします。SKYRIMといった近しいビデオゲームをやっていたとしても、じゃあどうやって進めていけるの?という部分に自由度がありすぎるように感じるからなのかもしれません。

実際のところは、そういったビデオゲームのように、ある程度のルールの上で進行も「ゲームマスター」と呼ばれる存在が指示したり、イベントを投げかけたりして進めていきます。プレイヤーが何かを試す時の成功判定などは、ダイス(サイコロ)を振って決めていく訳です。この日の授業では空上先生がゲームマスターとして進行されていました。

ならば、ビデオゲームを単にリアルの場でやるだけなのか?と言われればそうとも限りません。全くの自由という訳ではないにしても、ある問題を単にダイスによる確率で解決する前に、キャラクターの性格や持ち物、その場面の条件などから 柔軟な提案を行う ことで(それがロールプレイとしてより深みを得られるならば)、ゲームマスターがダイス判定の難易度を調整したりといったこともできるようです。

004charasheet この授業では予め用意されたキャラクターシートを選んで参加する

TRPGは様々な「ルールブック」が用意(販売)されており、まずは何のルールブックで遊ぶのかを決める必要があります。これがなければ大枠としてのルールも無いですし、どのようなキャラを作れる(作ってよい)のか、どのような舞台背景なのかといった重要な設定が揃わないのでゲームとして成り立たないのです。

今回は みんなでダンジョンRPG というルールブックで遊ぶことになりました。

このルールブックはWeb上で公開されている無料のTRPGであり、少人数でも大人数でも(100名でも!)短時間で遊べるシンプルなもので、初心者が多く集まる場では使いやすいもののようです。

大筋としては、ダンジョンを攻略する冒険者のひとりとして参加し、まずダンジョンの存在を正しく知っているか、ダンジョンへ無事にたどり着けたか、ダンジョンでお宝を見つけられたか、モンスターをどうやって倒し最奥まで向かうか…… といった流れで構成されています。

キャラクターシートもそれほど決定項目は多くなく、悪く言えばあまり個性を出せない訳ですが、剣と魔法のファンタジーとしては基本が揃っていて誰でもすぐにイメージできるものでした。学園の授業は45分1コマで説明も必要ですから、今回は出来合いのキャラクターシートから選ぶだけとなりましたが、多くの場合は名前や職業だけではなく、出自や性格、スキルや装備品、種族や年齢といったことを自分で細かく決めていけるようです。

005party パーティを組んだら街に集まった冒険者のつもりで列を組む

私は知識スキルが高めのセージ、Snizeさんは感覚スキルが高めのシーフ、そしてまつりこさんは体力スキルが高めのナイトという組み合わせになりました。このルールブックではメインのステータスは、体力・知識・感覚の3つだけですので、バランス型のパーティということになります。

まつりこさんはロポリこんアバターらしく、元気であわてんぼうな感じの方でしたが、キャラクターシートはゴツいロボットナイトというロールプレイならではのギャップが生まれるのもいいですね。

ここまで準備できたら、あとはゲームマスターに従ってゲームを進めていきます。

006gamemaster ゲームマスターが開始の合図と共に街中を再現!!

まずは集まった冒険者たちがダンジョンの正しい位置を知っているのか?といった問題からはじまります。ダイスでこのような判定を決めていくという説明と共に、この授業で使っているワールドには プレイヤーがそれぞれ自分でダイスを振れる機能 が備わっていることも紹介されました。

今回の進め方だと、「冒険者たちは正しいダンジョンの位置を知っているか」という問題なので、知識スキルを基準にしてダイスを振ることになります。自分のキャラクターの知識スキルと同じか、それより少ない数値が出せれば成功となります。知識スキルが多いキャラであるほど成功しやすいということですね。

そして、成功判定となった人は挙手をし、ゲームマスターがその人数をカウントします。あらかじめルールブックで設定された難易度により、冒険者全体として成功するか否かの人数設定が存在し、カウントされた人数がその設定よりも多ければ全体として成功となります。

最初の問題ということもあり、ダンジョンの位置は「難易度:やさしい」と設定されていたようでした。全体の1/3ほどダイス判定が成功であればダンジョンを発見できたことになり、次へと進めるようになります。この時は余裕の成功でした。

007goblin ダンジョンで最初に登場するモンスターのゴブリンさん

その後はダンジョンへの道のりが無事であったか、ダンジョンが暗いことへの解決方法、光るものが見える脇道へ到達できるか…… といった問題が出されていきました。

「ダンジョンが暗い」という問題では、ゲームマスターからダイスだけではない提案をしても良いというアナウンスが出されました。ここでキャラクターシートに記載された所持品を使えるという訳です。

チームメンバーで話し合ってゲームマスターへ声をかけ提案をすると、場合によっては各種スキルにプラス1をボーナスしてダイスを振っても良い…… といった返答を貰えたりします。

こういうところで実際にロールプレイとしてキャラになりきってセリフを言ってみたりするのもいいのかもしれません。今回は大人数で時間もなく、未経験者が多かったこともあり、ダイスを振ったりチームで相談したりするので精一杯といった感じでしたが、かなり盛り上がっていたように思います。

008ending 記念撮影

ダンジョンの最奥ではドラゴンとの勝負でした。

これまでの集大成といったイベントで、ゲームマスターも様々な情報を与えてきます。ただし、それらをうまく扱えるかはダイスによる判定が必要なのです。知識スキルでの成功者が多ければドラゴンの弱点が判明しますし、その弱点情報を元にすればどんなアイテムを使用するかを提案できます。

そしていざ攻撃の場面、私のチームはナイトであるまつりこさんが戦闘の要ですので、提案により少しでも成功確率を上げたいところでした。所持品から色々考えた結果 油壺をまつりこさん本人にぶっかけて火を付けながらファイアー突撃を仕掛け念のためキズぐすりを持たせる という脳筋提案をしたところ、ゲームマスターからは「プラマイゼロ!!」という判定を下される結果となりました。

奇跡的にダイス運が良く、私のチームは全員が戦闘成功となり3名の戦力としてカウントされました。体力スキル1の私はダイスが1でしか成功しない訳ですが、TRPGはこうした条件でも成功を勝ち取れる場合があるのが面白いところなのだと感じます。

VR空間でのTRGPは手間をかければその場の雰囲気をそのまま視覚的に再現できますし、ロールプレイの上でもアバターにこだわってみたり、体の動きやセリフといった演技もしやすいように思います。通常はゲームマスターによる手作業が多いものかとは思いますが、一部のシステムをワールドに任せる設計も可能性がありますので、非常に相性がいいのではないでしょうか。

大人数で盛り上がるのも、通常のTRPGではそもそも広い場所が必要ですが、VR空間ならその制限なしに広い空間で騒いでいる感じすら味わえます。とても楽しい1時間を過ごすことができました。

009classmate 終わった後はクラスメイトと集まったりする

選択授業が終わった後はどうしようか…… と少し悩みましたが、どうやら所属クラスの担任の先生が立てているワールドにいってクラスメイトと集まるといった人が大半という感じでした。なので、私も同じように担任のいるインスタンスへ。

ちょっとしたカードゲームをやったり、雑談したり、やはり初対面の人がいるとなると緊張もあるようで、他の選択授業に出ていたクラスメイトが次々と集まってきました。

010classmate クラスメイトのGunberryさんによるQVpen作品

大学での友人は一生の付き合い…… などと言われたりしますが、同じクラスで過ごすという環境は職場で長らく一緒にいても得られない不思議な関係が育つように思います。それがたとえVRC上のちょっとしたイベントであったとしても強く感じますので、そこにはどんな違いがあるのだろうかと興味が尽きません。

ネット上のことですから、年齢層もそれまでの生活も住んでいる場所もバラバラなはずですが、なんとも言い表せない一体感のようなものがあるように思います。そこに上下無く、そして個を見て、経緯があるというのが大事なのかもしれません。

011picture

This post is licensed under CC BY 4.0 by the author.

VRC学園12期 5日目 必修授業 ひでにぃ先生

VRC学園12期 7日目 学縁祭