Home VRC学園12期 3日目 必修授業 西野キズナ先生
Post
Cancel

VRC学園12期 3日目 必修授業 西野キズナ先生

VRChat文化ならではのアンガーマネジメント

001teacher 本日の講師である西野キズナ先生

2つめの授業は 西野キズナ先生 によるアンガーマネジメント概論でした。
「怒り」は自他を知るチャンス! 感情分析&言語化で考えるアンガーマネジメント と題するけっこう専門的なお話です。

西野キズナ先生は学園の卒業生で副担任も務められたことがあるらしく、今期の必修科目を担われています。VRChat内でも、毎週のイベントでキャリアコンサルタントとしての相談対応を行われているそうです。

VRChatはコミュニケーションを主体としたソフトで、SNSの側面が強いという特徴があります。また、アバターによる仮想空間での交流であるとはいえ、直接自分の発話と身振り手振りを交えた会話を行うことから、想像以上に深い付き合いとなるエピソードも珍しくはありません。

それなりに続けていれば、聞いたことあるな~といった人間関係の悩みや問題が出てくるものです。まず授業では、VRChatのコミュニケーションでありがちな「怒り」のパターンを例示し、なぜその「怒り」が湧いてくるのか?との投げかけから始まりました。

002classroom この日は全員出席できていたはず

ここで一旦VRChatから離れ、「怒り」そのものの役割に触れます。この「怒り」に振り回されてしまう前に、自分の「怒り」をうまく制御しようというのが アンガーマネジメント です。他に NVC(非暴力コミュニケーション)アサーティブコミュニケーション といった手法の紹介もありました。

この3つの中でアンガーマネジメントは「自分自身」かつ「怒りのみ」に特化した技術であると言えるようです。ここでは「怒りは二次感情である」と定義し、そこには根本的な理由であるはずの「一次感情が隠れている」と指摘します。

そこで、「怒り」を適切に制御するため必要な行動…… すなわち「事実の客観的な観察」「自分の感情へ目を向ける」「自分が本当に求めていたものを見つける」という手法が紹介されました。

これらの知識を使って、クラス内を4つの班に分けディスカッションしました。

003discussion ディスカッションは個別で話をするチャンス

この日は4班に分けての話し合いです。私の班は「フレンドがプラベなどにこもって段々会ってくれなくなった」といった怒りの例をとり、アンガーマネジメントの手法を使って「怒りの裏にある一次感情」を探しました。

まず感じる怒りを分析して「さみしい」「自分を見てくれない」といった不満や不安をリストし、これを一次感情と捉えます。その後、そこから本当に自分が欲していたものは何かを探りました。

私の班は結論として「一緒に遊びたい」(だから残念)を最終的なニーズとして発表したような気がします。

004present クラスメイトの発表を見守るキズナ先生

私の班は順を追ったシンプルなものでしたが、専門的かつ心の根本にあるものを題材としたものでもあったのか、かなり考察を含んだ発表となった班が多かったように思います。面白いですよね、こういう題材は。

ちょっと失礼な感想にはなるのですが、授業中みんなほんと真面目だなと思います。とても良いことです。すぐ変なこと言わなくちゃと考えてしまうので反省します。

ディスカッションと発表を終えた後は、先生によるもう少し詳しい解説とまとめを経て終了となりました。やはり、挙げられた3つの手法のひとつだけを取ってみても、専門書がいくつも作られるほどのジャンルで、スライド資料のデザインはかなりスッキリときれいにまとめられていたものの、45分という制限はかなり難しいのだろうなと改めて感じます。

005teachers 担任の先生から時間切れの圧を受けるキズナ先生

授業の終わった後は、多くのクラスメイトがキズナ先生へ質問していました。アンガーマネジメントは自分自身を見つめる手法でもあることから、かなり個人的なところまで突っ込んで相談している人もいたようでした。キズナ先生によれば、普段行われているキャリアコンサルタントといっても、やはり人生相談のようなことにもなりやすいようです。

006classroom 気づいたら学園長が来てた

授業の後はゲームワールド「Price Guess?」に行きました。大きな画面に表示された商品を見て、実際の売価を当てるというものです。最も近い価格を入力した人が大きな点数を得て、10ラウンドで誰が最も得点を稼いだかを競います。

金額を入力するパッドがそれぞれ自分の画面に表示されるので、会場内のどこにいても、移動しても問題なく遊べるのはよくできているなと感じました。途中入室でも普通に参加できてたのもいいですね。

007PriceGuess ぜんぜん得点とれませんでした

日も過ぎるとさすがに寝る人も出てきます。人が少なくなったところでチルなワールドへ行って雑談、というのが定番になりそうな気がします。ちゃんと睡眠時間は確保しましょう!

キズナ先生の授業は密度がありましたので、進行速度もそれなりにあったはずですが、クールでとても聞きやすい丁寧な授業だったと思います。普段からキャリアコンサルタントとして相談を受けている、という経験に裏打ちされたものだなと思います。

素晴らしい授業でした。ありがとうございました。

008photo

This post is licensed under CC BY 4.0 by the author.

VRC学園12期 2日目 必修授業 ニノ先生

VRC学園12期 4日目 必修授業 Akaeri先生