Home VRC学園12期 4日目 必修授業 Akaeri先生
Post
Cancel

VRC学園12期 4日目 必修授業 Akaeri先生

VRChat歴史の授業

001teacher 本日の講師 Akaeri 先生

VRChatそのものは既に5年以上の歴史があります。

  • 一般的なゲームとは異なるコミュニケーション主体のゲーム
  • アバターや空間を用意する方法がゲームの外側にも開かれている
  • そもそもVRを主体の対象としていること

これらの要素を全て満たすアプリケーションはもはや希少ですらあります。その上、基本的にVRChatそのものは無料で大半の体験を得られ、直接的なマネタイズである VRChat Plus が登場したのも2020年頃と、まだ比較的新しいものです。

VR体験の先進性もさることながら、技術的にも荒削りな部分は正直目立っていたことも事実です。UIは今ほどスッキリしていませんでしたし(頭の上に出る名前などは主張が激しかった気がします)、著作権的にも技術的にもグレーなのかブラックなのかといったプレイヤーがどうしても目立ってしまった印象もありました。

私自身はSteamで新しいものをすぐに入れたがるというだけの理由で、2018年5月にインストールしていましたが、特に知り合いと始めたという訳でもなく、当時はVR機器も持っていませんでしたし、上記のような「荒々しい感じ」に見切りをつけてしまい、それほど起動しなくなってしまいました。

時は経ち、VRC公式の技術やセキュリティが少しずつ整備され、アバターやワールドのプレイヤーによるアップロード方法といった知見もウェブ上に流通していったことで、現在ではかなり安全なものとなった印象を受けます。VRChat Plus と同時期にUIの変更も行われたようで、久々に入ったときにかなり好印象だったのを覚えています。

002classroom ちょっと席替えしました

今日の授業は Akaeri先生 による VRChatを5年過ごしたプレイヤーが喋る、VRChatの基礎的単語と歴史 です。Akaeri先生は私がインストールしたのと同時期にVRChatを導入し、これまで長く参加してこられたそうです。いわゆるプレイ時間も普通ではちょっと見かけない桁になっているほど。

そんな先生は私と違いVRChatの変遷を肌身で体験してきたので、その状況が語られました。

現在は好きなアバターを使いたければ、少なくともUnityのインストールやBooth等での購入の仕方、そしてアップロードの方法までを知るのが事実上のスタートラインと言えるのかもしれません。それはそれで異常事態では?と正直思うものの、参加するプレイヤーの知識を底上げする要因ともなっていて、面白い構造だなと思ったりします。

先生によれば、やはり当初は誰もがアップロード手順を把握していた訳でもないので、アバターペデスタルによる借用がメインであったようです。あまり記憶にありませんが、私も当時は何らかのアバターを借りていたはずです。

003teacher 本日も廊下から見守ってくれる担任の先生

続けて日本人同士の交流の実態が紹介されました。

『私立VRC学園』への参加理由としては、なかなか日本人の知り合い…… いやそもそも日本人が集まっているコミュニティを自分で見つけるのが難しいという環境から、仲間を作れないという悩みが代表的なもののひとつとして挙げられるでしょう。

これに対し、2018年当時はどちらかといえばPublicな色合いが強く、様々な言語圏のプレイヤーがワールドへランダムに集まり交流することも多かったようです。Akaeri先生の実感としては、日本語を学んでいる韓国の方の割合が高かったとのことでした。

学園の12期は、11期までの参加希望数が非常に多かったことで、臨時的に連続開校となった経緯があります。1期100名以上の大規模かつ集中長期間のイベントであることから運営の負荷は大きいはずで、通常は期ごとにそれなりの期間が挟まれている訳です。ですが、12期は11期の卒業後1週で開始となりました。

現在は上記の『私立VRC学園』でも見られる通り、枠組みを設けたイベントや、プライベートな範囲を確保したコミュニティへ参加することが一般的となりつつあると思います。この5年で様々な要因から文化が変遷していったことがわかります。

004classroom

その後はアバターを取り巻く状況であったり、お砂糖文化などの「VRC独特」な要素の紹介となりました。

そして、Akaeri先生の最後の主張は プレイ時間そのものに価値がある訳ではない というものでした。単に歴として5年というだけではなく、私も圧倒されてしまうほどの時間をAkaeri先生はVRCで過ごされてきた訳ですが、そこには良いことも悪いことも当然様々にあったはずです。

『私立VRC学園』の卒業生でもあるAkaeri先生は、(学園というイベントに限らず)全員が同じように楽しめるとは限らないと述べました。先生の個人的な体験として、生徒としては楽しめなかった方に入るだろうとした上で、それでも講師として立っている現在もある、と。

今回の授業は座学となり、特にグループディスカッションなどを行ったわけではありませんでした。
今では決して低くない競争倍率の中、せっかく12期生として参加できたのならば、余すことなく楽しみたいと思うのは私の正直な気持ちです。ですが、これだけ人が多ければどれだけ気を使ってみたつもりでも、楽しめなかったり、もしかしたら逆につらい経験になってしまう人も出てしまう可能性はあります。

Akaeri先生は「自分に合わせた楽しみ方を模索していってほしい」と締めくくりました。

005photo 記念写真

(規約的にも)営利的な活動はVRC上で行えないとは言え、『私立VRC学園』をはじめとして数多くのイベントが連日ボランティア的に開催されています。もちろん趣味ならばそういうものではあると思うのですが、多くの善意を舞台裏に感じざるを得ません。

だからこそ、せめて同じクラスメイトは全員少なくとも「良い経験だった」との思いで卒業を迎えられたらと思わずにはいられない訳です。だけど、そういうことこそ期待として人へ押し付けるわけにもいかない。それを目指して自分を蔑ろにするほど無理に盛り上げようとするのもまた違う。そんなことを考え始めています。

006graph

授業の後は雑談。寝不足?で少し体調を崩している人も見られるようになりました。健康第一でいきましょう。人のことは言えないんですけど。

ゲームワールドをいくつか回りました(ゲームに夢中で一枚も写真撮ってなかった)。VR上でドロケイごっこができる Prison Escape や、超小型のミニゲームを超高速でこなしていくメイドインワリオ的な VR Ware 、またお題に対してお絵かきで答える 生活記憶力おえかき などなど。

知らないワールドはまだまだたくさんありそうです。私自身にストックがなく、全然提案できないのがちょっと心苦しいところではあります。

いよいよ!!と意気込んで参加した『私立VRC学園』ですが、その中でも講義として「楽しめないことだってある」と冷静な視点をAkaeri先生は投げてくれました。浮かれて失敗することが多いので、全力で楽しもうとする精神は忘れず、それでいて一歩離れた客観的な見方も心がけたいと思います。

This post is licensed under CC BY 4.0 by the author.

VRC学園12期 3日目 必修授業 西野キズナ先生

VRC学園12期 5日目 必修授業 ひでにぃ先生