13インチサイズ1キロ未満
HPは以前から「事務作業としては十分すぎる」が「クリエイティブな開発としては不足する」というラインの軽量ノートPCを安価に揃えていた。価格コムの人気ランキングで常に4位くらいの位置に存在し続けるこの製品はコスパの権化みたいなものになっている。
この「事務作業としては十分すぎる」の範囲が優秀で、本体のGPUを酷使するような処理でもない限りは、コーディングなんかも余裕でこなせると思う。
この機体が今月、内部パーツだけを上昇させ価格を据え置きとして発売された。その話だけを聞けばマイナーアップデートのようにも聞こえるが、CPUの世代からして上昇させた挑戦的なものだと思う。
まずは3月まで、価格コムでの評判もかなりよかった製品のスペックは以下の通り。
1
2
3
4
5
CPU : Ryzen 5825U
MEM : DDR4 16 GB
O/S : Win11 Pro
W/T : 0.957 kg
SSD : 512 GB
グラフィックボードは付属せず、とはいえRyzenのこの世代は一応APUなので、ちょっとしたゲームなら動いてしまうレベルだったりする。
13インチ型のサイズで、手堅い範囲のCPUを装備し、余計なものがなく、やや画面が縦長で1キロを切るという軽さ…… を実現して10万円で買えるというのだから、他社をいくら比較しても頭一つコスパが明らかに抜けてしまっている。
いわゆる「大学での座学お勉強とちょっとした開発」などで4年もてばいいという状況なら、価格をケチったなどとは全く感じない性能だと思う。余裕すらあるだろう。
半年間で様々な資格を取ろうと考え、スクールなども検討したところ、やはり外で勉強することも増えてくるし、気分転換に喫茶店に行くこともあるだろうからと、ひと思いにこの機体を買うことにしていた。
ただ、退職金などのめどがついたらでいいやと思っていたところ、4月に突然「新型」が発売されたのである。外装ハード面での違いはまったくなし。本当にグレードアップ機体となった。
1
2
3
4
5
CPU : Ryzen 7735U
MEM : DDR5 16 GB
O/S : Win11 Home
W/T : 0.957 kg
SSD : 512 GB
上昇したのはCPUとメモリの性能だけとなる。
この時、ちょうどRyzenの7000番台が次々と新作を出している時期で、7840HS(Phoenixと呼ばれてる)などがゲーミングPCでまだかまだかと期待されているような状況だった。
7735Uは7730Uのクロックアップ版のような位置づけで、ほとんど情報がない。このCPUを使っている製品も、この時期ではほとんど見かけないので比較のしようがないのだが、前機体の5825Uよりは2世代も上だし、メモリもDDR5となっていて価格が変わらないのだから、こちらを選ばない理由はない。
もっとも7730Uは6000番台の同系統のリフレッシュ品という情報もあるので、そこまで革命的な違いはないのであろうが、APUとしての差が大きいようだ。あまりグラフィックを重視していなかったので細かくは調べていないが、感覚としてはタダでスペックアップしているようなものなので、悪い話ではないと考えた。
7735Uはほんとに使ってる製品は少ないと思う。よくそこに目を付けたなという感じ。素早く出している上に、価格がどう考えても安い。この製品のキーボード配列に問題ありという意見だけが目立つのだが、Enter右側にHome/Endなどが来るパターンは幸いにも苦手ではないので、自分にとってはバッチリ合った製品となった。
キーボードはデスクトップではNuPhy Air75を使用しているが、これもEnterの右側に同系統のキーが縦に配置されているのである。Enterの位置を間違えることはあまり個人的にはないのと、そのEnterを基準としてBackspaceを使うので、それより右側は問題とならないという寸法だ。
むしろ、Enterの真上という相対的な位置が異なってしまうHHKBのほうが明らかに自分にとっては合わなかったというのが、買ってみて初めて分かった自分の特性だった。合わなかったのに安くはないHHKBをこれまで2台買っているというのは愚かな話だと思うものの、そこさえなければかなりいいキーボードには違いなく、愛好者が多いのも頷ける話だと感じる。